言葉の熟成
FROM:中村 仁
大阪の自宅より・・・
うんうんと唸りながら、手紙を書いたことはありますか?たとえば、きな人へ向けてのラブレターなどです。緊張しすぎて、書きながら手の震えが止まらず、でも書いている時間は、告白が成功したイメージまで浮かんできて楽しいと感じるかもしれません。
いざ、完成したときには、
「これはいける」
自分の顔が、今流行りのドヤ顔になっていることに気づくことでしょう。しかし、同時に相手に渡さないといけないという別の緊張感も襲ってきて怖くてさっさと寝てしまう。そして、決戦の朝覚悟を決めて手紙の文面を再度確認すると・・・
「なんじゃこれはー??????」
顔から火が噴きそうな情熱的な文面に気がつきますが、そうかといって書き直す時間はありません。告白のときが近づいてくる緊張感に耐えられず、気づいたらラブレターをびりびり破いてしまいました。こんな経験をしたことはありませんか?
コピーを書いていると、これと同じようなことにたびたび出会います。
「感情」は言葉に乗り移りやすいものだからです。マイナスの考えを持っているときは、コピーにも同じベクトルのパワーが働きます。見込み客の感情と同じ向きならよいのですが、逆向きだと、成果も悲惨なものになるでしょう。しかし、コピーを書いて、いったん寝かせることでこのような失敗を回避することができます。
寝かせるなんて表現、なんだかワインみたいですね。でも、このやり方は非常に効果があります。仮にセールスレターを一気に書き上げて、数日ほど、言葉を熟成させてあげるとしましょう。そうすると、ことばのアクが浮かび上がってくるんです。
先ほど申し上げたマイナスの部分だとか、そもそも日本語になっていない所や誤字脱字も当然そこに含まれます。コトバのアクを丁寧にすくってあげて、そこにさらに原料(言葉)を追加する。文章にコクが出てくるんです。ワイン造りだと、熟成の段階で味見もするものなのでしょうか?コピーも味見の段階があります。
音読をすることで、文章のリズムをかみしめ読み手になりきってみるのです。このように手間暇をかけてあげることで、効果の高いセールスレターに仕上がります。コピーやラブレターを書く人には、一旦言葉を寝かせてみることをオススメします。
P.S
セールスレターはプレゼンみたいなものなので、何度も推敲を重ねる必要があるのですが、一方メルマガは、プレゼンではなく友達同志への私信みたいなものです。少なくとも私はそのように考えています。だからこそ、多少の誤字脱字は愛嬌です。今日もビジネスを楽しみましょう。