エレベーターに女がいた・・・



From:中村 仁
大阪の自宅より・・・


■下の階へ行こうとエレベーターを開けたら、
 白い服を着た女がうずくまって泣いていた・・・


 「何だ・・・これは」


 私は全身に鳥肌が立ち、
 その場を離れようとしたのに、


 何かに足を引っ張られて動けない。


 確かめようと下を向いたら、
 女の手が私の足をつかんでいる・・・


 さて、あなたならどうしますか?


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 1.そっとして目的の階で降りる


 2.ここがチャンスだとばかり優しく声をかける
 

 3.全力ダッシュで逃走する

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 ちなみに、私は1を選択。
 

 この女性が、好きな男に振られた直後で
 あったことを直感で理解したから。


■遡ること数時間前、
 ときは、1996年7月奈良県香芝市のとある合宿所。


 我々サッカー部は合宿のため、
 奈良に来ていました。


 その日の気温は35度。


 体力に難のある私は、
 合宿所の周りを8週したところで
 すでに倒れる寸前でした。


「ああっー、しんどい・・・もうダ・メ・ダ」


 大きな幹の下に体を寄せて仰向けになり、
 ごくごくと喉を鳴らしながらポカリで水分補給していたのを思い出します。


■生まれて初めての合宿(翌年はブラジルにいたので、後にも先にも最後でしたが)
 で、理不尽な走り込みを行なっていました。


 「こんな非科学的な練習でうまくなるかよ」


 まるで日本サッカーの悪しき伝統とも言うべき
 非科学サッカーがそこにはありました。
 (翌年、私がコーチを兼任した科学サッカーが始まるのですが、
 それはまた別のお話)


 練習後、すでに筋肉痛になっていたため、
 食事もそこそこに休憩していたのですが、


■さすがに若者は違います。


 隣で枕投げやっているかと思えば、
 女子マネージャー陣の一人がうちのNO.2である副キャプテン(&イケメン)
 に告白の準備をしていました。


 うちはキャプテンである私が
 もてませんでしたからね。(笑)


 そんなことが計画されているとはつゆ知らず、
 起きたら深夜でした。


 私:「良く寝た。ジュース買いにいこう」


 と、エレベーターを開けようとしたところ、


 メンバー:「バカ。仁、戻ってこい。何空気読めない行動してんだ」


 と止めようとしてもときすでに遅し。


 エレベーターを開けたら、
 うちのNO.2に振られた女子マネージャーがうずくまっていたのです。


 気づいたら彼女の腕が私の足を・・・(大汗)


■何が言いたかったのかというと、
 若いって素晴らしいということです。


 どれだけ激しい練習をしても、
 次の日までに体力なんて回復してしまいます。


 疲れていても告白なんていう
 イベントにまでみんなで加勢して行なえるのですから。
 (先に寝たの私だけ)


■そして、若いというのは、
 年齢以上に気持ちが大事だということです。

 
 同窓会で彼らに再開した際、
 非常にがっかりしました。


 同じ年なのに、
 すでに人生に対しあきらめ感いっぱいで
 過ごしていたからです。


 精神状態がすでにジジイですよ。


 たしかに、体力の衰えは
 学生時代と同じとはいかないかもしれません。


■でも、今を未来をどう捉えるかで、
 人生を楽しく過ごすことはできると思います。


 少なくとも、


 「若い時はよかった」なんて言い訳じみた
 愚痴を言うことはなくなるのではないかと思います。


 肉体の若さを保つには限界が
 あるかもしれませんが、


 精神の若さを保つには、
 心次第でどうにでもなるのではないでしょうか?
 

P.S.
思い出は思い出のまま、
とっておくのがよいかもしれませんね。


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